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新たな挑戦と細やかな改善を忘れない姿勢が、厳しい局面を突破する。

CrossTalk 01

Profile

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2011年 新卒入社

T.I(技術開発課 課長)

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常務取締役

Y.N(企画開発部 担当役員)

今までになかった製品を生み出す。今までの性能を超えていく。
そのためのアイディアを求められるのが、開発の仕事。
当社の技術開発課で、製品開発に挑んでいる社員たちは、
どんな姿勢で開発に臨んでいるのか。このクロストークでご紹介します。

万全の開発工程を用意していても、不測の事態は起こり得る。
問われるのは、あらゆる可能性を考慮しての対応力

ー開発の仕事で、最も大変だと思うことは?

T.I 開発工程のスケジュールを守りながら進めるのが難しいです。

Y.N開発は、コンセプトを決定した後、設計(基本・全体)→実験(計画・準備・報告を含む)→特許出願→商品化・標準化という工程で進めていきます。想定通りに進む場合もありますが、そうでない場合もあるので、想定外のケースでどう対応するのかが重要。失敗を見越して、ゆとりを持ったスケジュールが組めているかが問われます。

 T.I工程遅れの原因はいろいろありますが、開発計画は市場のニーズを考慮した上でGOサインが出るので、なるべく予定通りに工程を進める必要があります。その見えないプレッシャーと戦うのが大変です。

Y.N直近の例としては、「SPARCフェンスの改良計画」があります。SPARCフェンスは、もともと2011年に開発された、200kJの落石エネルギーに対応する落石防護柵です。ところが、2017年に落石対策便覧が改訂され、柵の性能を実証するための実験方法が新たに規定されました。つまり、新しい条件に則った実験を行わなければならなくなったわけです。

 T.I2017〜2018年は、他にもやるべき実験が6〜7件ほどありました。SPARCフェンスに関しては、当初は2011年の実験を再度行う予定だったのが、結局、新しい実験が増えたことに。そんな状況でしたから、工程調整には本当に苦労しました。

 

国の基準が変わり、実験方法が変わった。
しかし、それをラインナップ拡充というチャンスに変えることができた。

ー改良プロジェクトの課題をどう乗り越えた?

Y.N実験の条件が変わったので、実験方法も今までになかったものになりました。従来、地面に設置し、重錘を振り子式に当てていたのを、地面に対し水平にフェンスを設置し、重錘を上から自由落下させるやり方に。実験方法の変更に伴って、実験設備の設計も行わなくてはならなくなりました。

T.Iその頃は、常務と毎日、打ち合わせをしていました。失敗もあったので、その場合の相談も含めて。

Y.N実験で工夫したのは、破壊から逆算して解析したことです。どれくらいの衝撃で壊れるのかがわかれば、限界値を知ることができます。そこから、どれくらいの補強をすればいいのか、シミュレーションで導き出すわけです。

T.I実験結果を分析すると、200kJ対応型があまりいい結果が出ないことがわかったので、製品を構成する部材を改良し、100kJ対応型と300kJ対応型の2種類のラインアップとすることに決まりました。

Y.N種類が増えるということは当然、その分の実験・商品化・標準化の計画作業量が増えるということです。

T.Iなんとか2018年中に完了させようとがんばったのですが、この時の工程調整は大変でした。もちろん、作業全てを一人ではできないので、人的資源を最大限に活かせるように、最適な人員調整にも努めました。

ー開発という仕事の達成感は、いつ感じる?

T.I製品リリース後、初めて現場での施工が完了した時です。

Y.N私は、その先の、災害が発生した際、落石や雪崩を止めたと聞いた時ですね。完成しただけでは、まだ役に立っていない。何かを守ってくれた時に、達成感を感じます。

T.Iそうですね。お客様に採用してもらえて、さらに落石や雪崩を止めてくれれば、それが一番です。でも、私は「綺麗に完成した」だけでも達成感があります。製品をリリースしただけでは、なかなか評価されません。実際に会社の実績に繋がったと知るとうれしいですね。

「衝撃」という特殊な分野の知見。
そして、一貫体制による多方面からのフィードバック。
私たちの開発には、唯一無二の強みがある。

ープロテックエンジニアリングの開発の強みとは?

T.I開発だけでなく、設計・営業・製造・施工のエキスパートが一つの会社に揃っていて、それぞれの担当分野から多面的にアドバイスをしてもらえることです。開発は、製品計画のスタートなので、後工程の方からのフィードバックは、とても貴重です。製品の完成度にも関わると思います。

Y.N開発そのもので言えば、「衝撃」に関する今までの知見、データの蓄積ですね。大学の土木系学部でも、構造力学や振動力学は学べますが、もっと大きなエネルギーを扱う「衝撃」について教えてくれる学部はほとんどないと思います。

T.I私も「衝撃」については、働きながら学びました。ただ、基礎として構造力学を頭に入れておくと、知識が入りやすいと思います。私が就職活動中に当社に興味を持ったのは、「衝撃」が他社ではなかなか扱わない特徴的な分野だったから。人がやらないことをやった方が楽しいだろうと思いました。

Y.N開発に向いているのは、そういう好奇心旺盛な、いろいろなことに興味津々な人です。開発業務には特許取得も含まれているので、当然、新規性も問われます。世の中にないものを作っていく、という気持ちは大事です。

T.Iただ、土木構造物なので、急激な進化は起こりにくいです。地道な改良を重ねることが、ふだんの開発業務の大部分ですね。もちろん、新しいアイディアはいつも求められますが。

Y.N世の中でどんなものが研究されているのか。土木業界でどんな材料が開発されたのか。そういう情報をキャッチするアンテナは常に張っていた方がいいですね。新しい情報にふれていると、ふと日常生活でアイディアがひらめいたりすることがあります。私には、自分の開発ノートに思い浮かんだことを書き込む習慣があります。

T.I私には、そういうひらめきはないですね。

Y.Nこの開発の仕事には、経験工学的な側面があるかもしれないですね。経験の引き出しが増えるほど、新しいものに一歩を踏み出す勇気が出てきますから。私は、開発の人間には「死ぬまで勉強だ」と言っているんです。新しいものを開発できるって、楽しいと思うんですよ。

T.Iそうだと思います。

Y.N何かを作る人は、生みの苦しみでつぶれないように「新しいものを楽しむ」ことで自分を鼓舞するしかない。さっきも言いましたが、興味津々な人、そしてポジティブな人が開発に向いています。失敗したからといって、へこんでばかりでは仕方ない。くじけずに立ち上がって前を向ける人に、ぜひ来てほしいです。

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